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入出金記録データ化で迅速融資 フィンテックベンチャー

2019年07月15日

 フィンテックベンチャーが融資審査で優先順位が低い日々の入出金記録に着目した中小企業向けの財務支援サービスを始めている。

 従来の審査は財務諸表や担保が中心で時間がかかる。そこで、資金繰り状況の把握に役立つものの、金融機関で見落とされがちな入出金記録をデータ化すれば、迅速な融資につながると判断した。低金利で中小企業の資金需要が活発化する中、経営資源が限られる地域金融機関が“優良案件”発掘のため、同サービスを展開するフィンテックベンチャーと手を組む動きも出ている。

 会計データをクラウド上で管理するfreee(フリー、東京都品川区)は、子会社を通じて日々の入出金記録を基に資金繰りを自動で予測するサービス「資金繰り改善ナビ」の提供を中小企業向けに始めた。向こう3カ月の残高予測をグラフで表示し、借り入れの検討材料として役立ててもらう。

 さらに、借り入れについても金額やその可否を事前に把握できるサービスも開始。このサービスでは、ライフカード、三井住友カードなどと提携した。オンライン請求書買い取りサービスのOLTA(オルタ、同港区)とも提携し、売掛債権の買い取りの可否を事前確認できるサービスも始める。freeeの武地健太金融事業本部長は「中小企業や自営業者が育つような世界をパートナー企業とともに作っていきたい」と話す。

 同様のサービスを提供しているフィンテックベンチャーの中には、契約先の中小企業の了解を得て、データ化した入出金記録を直接、地域金融機関に融資の判断材料として提供するところも増えている。

 エメラダ(同)は、既に約10の地域金融機関から引き合いがあるという。マネーフォワード(同)も子会社を通じて提供を開始。ココペリ(同千代田区)も三重県地盤の百五銀行と提携。入出金記録を人工知能(AI)で分析し、融資の可否を判断する実証実験を共同で始めた。

 フィンテックベンチャー以外でも飲食店向け予約サービスを手がけるトレタ(同品川区)が新生銀行と連携し、飲食店の予約情報やPOS(販売時点情報管理)システムを活用した与信判断の精度向上に関する実証実験を行っている。

 通常、融資の可否は財務諸表などの書類を基に判断する。データの読み込みや分析などで手間とコストがかかり、地域金融機関の場合、融資実行までに数カ月かかるケースもあるようだ。地域金融機関がフィンテックベンチャーと手を組み、データ化された入出金記録を入手することで、「手元にどれだけの現金があるかを知ることができ、資金繰り状況が把握しやすくなる。(融資を含む)経営改善支援の提案がしやすい」(信金関係者)という。