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港湾改修、モザンビークに円借款

2013年03月03日

 政府は3日、アフリカ南部モザンビークの港湾改修・拡張事業に円借款を供与する方針を固めた。総事業費約250億円のナカラ港が対象で、近く国際協力機関(JICA)を通じて第1弾として数十億円を供与する。経済成長により2020年に現在の約3倍、30年に10倍増が見込まれるナカラ港の貨物需要増に対応する。同港を整備することで農産品などの輸出拠点として活用するほか、同国で進む陸上のインフラ整備との相乗効果も見込める。港湾整備が進めば、日本企業が同国で進める石炭や天然ガス開発などにも寄与しそうだ。

 大型船が寄港できるようにするナカラ港改修・拡張事業は、既存設備を稼働させたまま、17年までに大型クレーンを併設したコンテナターミナルや道路を整備する。税関や出入国管理などを一元管理する国境通過手続きの迅速化も進める計画だ。この工事をめぐっては、港湾整備に強みを持つ日本のゼネコンや商社も関心を示している。

 モザンビークでは、日本政府がブラジル政府と共同で、サバンナを農地に変えて大豆やゴマを生産する農業開発事業が始動。将来的にはナカラ港に穀物を貯蔵するサイロやターミナルを建設し、食糧自給と農産物や加工品輸出による雇用創出につなげる計画だ。

 ナカラ港が拡張されれば、新日鉄住金が探鉱を計画している同国西部のテテ州の原料炭開発の輸出拠点としても活用できる。さらに、同国北部では三井物産などが参画する液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトが進み、これに伴いガスを原料とする肥料工場も検討されており、農業への波及効果も見込める。

 一方、ブラジル資源大手のヴァーレなどは15年をめどに、同国西部のテテ州で進める石炭開発に伴う鉄道新設・改修事業を推進。また、隣国ザンビアなどとの貿易促進を狙い、国際協力によって鉄道や道路などのインフラ整備を進める「ナカラ回廊」の計画も進んでいる。ナカラ港拡張と同回廊が整備されれば、これまでザンビアから南アフリカ経由で輸出していた銅などの資源はモザンビークから輸出可能となり、域内貿易も活性化が期待できる。

 アフリカ南部は資源も豊富で経済成長が見込まれているが、物流インフラの整備がネック。このため、今年6月に約5年ぶりに日本(横浜市)で開催される第5回アフリカ開発会議では、南アからザンビアを縦断する「南北回廊」や、ナカラ回廊などのインフラ整備を推進することなども議題となる。日本政府は会議で他の国際機関との連携強化も改めて打ち出す方針で、今後はアフリカ開発銀行などとも協調し、モザンビーク周辺の活性化を急ぐ。

 JICAは昨年、南北回廊のボツワナとザンビア国境地点のカズングラでの架橋事業にも円借款供与を決めており、アフリカ南部のインフラ整備に協力している。

(上原すみ子)