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酪農業もAIで働き方改革 ドローンやロボットで負担軽減

2019年03月27日


 朝晩の搾乳や牛の健康管理で労働時間が長くなりがちな酪農業で、人工知能(AI)やドローンを活用した働き方改革が進んでいる。農林水産省は「家族労働が中心で、負担が大きい」として省力化機械の導入を支援。国内生乳生産量の約半分を占める北海道では、酪農家が子育てなどの時間を確保しようと作業のやり方を見直している。

 北海道別海町の卯野佳子さん(34)は、牛約150頭の体調管理にスマートフォンやタブレットのアプリを使っている。牛の首に着けたセンサーが反芻(はんすう)回数や歩数を読み取り、情報を基にAIが病気や発情の可能性を分析する。

 牛の乳房炎やひづめのけがなどが進行すると夜通しの作業が続くこともある。夫婦で牧場を経営しながら2人の子供を育てており、AIの活用で時間に余裕が生まれた。「以前は体力の限界を感じたこともあった。今は頻繁に牛舎を見回る必要がなく、家族の時間が増えた」と喜ぶ。

 帯広市の加藤賢一さん(67)は、搾乳ロボットを導入した。乳頭の位置をセンサーで検知し、自動で洗浄、搾乳する。ロボットが個体ごとに乳量などのデータを記録しており、必要以上に搾ることもない。

 牛舎内に散らばった餌を牛の近くに寄せるロボットも使っており、作業を効率化して牛を約100頭増やすことができた。「人材を常時確保することは難しい。機械なら安定的な労働力を得られる」と語った。

 広尾町の新海伸一さん(45)は、放牧している牛を集めるためドローンを使う。ドローンに取り付けたカメラの映像で牛の位置を確認。ドローンが寝ている牛に近づき、音を鳴らして起き上がらせる。広大な牧草地を歩き回る必要がなく、柵の鉄線が切れていないか点検することもできる。

 農水省によると、2016年の酪農家の年間平均労働時間は、肉牛の飼育農家より約3割長い。担い手不足と大規模化の流れで、1戸当たりの昨年の乳牛飼育頭数は54頭と09年から2割以上増えた。同省は省力化機械の導入費用の半額を補助するとして、17~18年度に総額140億円の予算を確保。19年度も85億円を拠出する考えだ。

 道東あさひ農協(別海町)の原井松純組合長は「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などにより競争が激化し、酪農家の負担は重くなるだろう。国にさらなる支援を要望したい」と話した。