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成人18歳呉服業界に危機感 改正民法成立 受験重なり式典参加減も   

2018年06月13日

成人18歳呉服業界に危機感 改正民法成立 受験重なり式典参加減も      

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 成人年齢を18歳に引き下げる改正民法に関連し、成人式の日程に関心が集まっている。18歳成人式となれば、大学受験と重なって参加を断念する高校生が出るのではないかとの指摘があるためで、晴れ着需要を当て込む呉服業界も危機感を募らせる。18歳成人式の維持や、法改正で日程変更を促す案も浮上し、政府は省庁横断の連絡会議で議論する方針だ。
 制服選ぶ可能性

 「成人式の挙行は長年の慣習として定着している現行の20歳がもっともふさわしいと考えます」。全国の呉服業者でつくる「日本きもの連盟」は、昨年12月に法務省や衆参両院などに提出した要望書で、成人年齢引き下げを容認する一方、式の参加年齢維持を訴えた。

 連盟は「現在の成人式文化の継承と発展を求めた」と強調。だが、背景には振り袖の販売減少への懸念がある。仮に成人式の対象が18歳になった場合、参加者の大半を占める高校3年生は受験シーズンの真っただ中。参加の断念が予想されるほか、参加しても振り袖ではなく制服を選ぶ可能性があるからだ。

 「成人の日」を変更し、式を別日程に誘導しようとの案もある。成人式は法律で規定されておらず、主に自治体の判断で実施しているが、8月に開催している1割程度の自治体を除けば、大半が1月の成人の日かその前後に開いている。

 改正民法を議論した自民党の特命委員会は、受験日程や呉服業界の要望への配慮から、祝日法の改正も検討。7月か8月に移す案も出たが、ある自民党議員は「海の日(7月第3月曜日)や山の日(8月11日)に近く、祝日が近接しすぎるのは好ましくない」と話す。

 成人年齢引き下げを審議した5月の衆院法務委員会でも、法務省民事局長が「成人式への影響は避けられない」と答弁。政府が統一指針を示すのは適切ではないとした上で「省庁連絡会議で関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめ、適切に情報発信したい」と強調した。

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法などが13日、参院本会議で可決、成立した。施行は2022年4月1日。1876(明治9)年の太政官布告と96(明治29)年の民法制定から続いた大人の定義が変わる。既に18歳以上に引き下げた選挙権年齢と合わせ、少子高齢化が進む中で若者の積極的な社会参加を促す政策の一環。

 成立を受け、上川陽子法相は「歴史的な改正。国民の間に理解がしっかり浸透するよう、施策の充実と啓発活動に取り組みたい」と話した。

 契約、ローン可能に

 18、19歳も親の同意なしに契約を結んだり、ローンを組んだりすることが可能となる。消費者被害が懸念されるため、若年層保護を明確化した改正消費者契約法が8日に成立しており、2019年6月から施行される。

 改正民法では、女性が結婚できる年齢を16歳から18歳へと引き上げ、男女で統一する。男女の区別に合理的理由がないため。成人年齢と同じになるので、未成年者の結婚に父母の同意が必要とする現行条文は削除した。

 成人年齢引き下げに伴い、関連22法も改正。飲酒と喫煙のほか、競馬、競輪など公営ギャンブルは健康や依存症への懸念から、現行の20歳未満禁止を維持する。10年有効パスポートも18歳から取得可能となる。

 司法書士や行政書士などは各法で未成年者には資格がないとしているが、いずれも改正されないため、18歳以上で資格を持てるようになる。

 政府は施行までを周知期間とし、省庁横断の連絡会議が消費者被害拡大防止策などを議論する。高校などでの消費者教育も強化する方針。

 多くの自治体が1月に開いている成人式は、大学受験と重なるため、日程変更も予想される。