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イエメン紛争 乗じて再登場

2015年03月27日

 イエメンのサレハ前大統領は30年超の就任期間中にしばしば、対立が絶えない同国の統治を「ヘビの頭の上で踊ること」に例えた。

 退陣から3年以上たった今もサレハ氏は精力的に活動する。かつて敵対していた反政府武装組織が国土の大部分を掌握するのを後押しし、政界への返り咲きをねらっている。
 イエメンの調査機関、コバラ・センターのアブドルガニ・アル=イリアニ会長は「彼は今もヘビ遣いだ。公的機関は譲り渡したが、非公式機関の真の権力は握ったままだ」と述べた。

 サウジアラビア率いるスンニ派諸国の同盟が、イエメンでのフーシ派の拡大を食い止めようとするなか、サレハ氏の再登場は、独裁政権を排除し民主化を目指した運動「アラブの春」の新たな失敗を示している。

 現在73歳のサレハ氏は、アラブ諸国の指導者として唯一平和的に退陣した。リビアの指導者は殺害され、チュニジアの指導者は亡命し、エジプトの指導者は収監され、シリアの指導者は国土の半分を失ったのに対し、サレハ氏は自ら退陣の条件を交渉し、訴追免除を受けた。辞任から1年たつと、自身の大統領時代を記念する博物館を、首都サヌアに設立した。

 ユーラシア・グループの中東・北アフリカ担当ディレクター、アイハム・カメル氏は「イエメンの新機軸と過去数カ月に起きた出来事で、チュニジアを除けば、アラブの春が起こった国で秩序だった政権交代が行われたところはないことが明確になった。今回の件は、明らかに地域全体の内戦に向かう道をつけている暴動の波に、新たな影を落とした」と話した。

 サレハ氏は2012年に退任したが、その後も全国を遊説したり、影響力のある部族指導者と会談を行ったりするなど、大統領のような振る舞いを続けている。同氏の支配下にあるイエメン・トゥデイ・テレビジョンによると、同氏は9日に演説を行い、この偉大な国が侵略者たちの墓場になると警告した。

 サレハ氏は軍に対しても強い影響力を持つ。近東湾岸軍事研究所(INEGMA)のディレクター、リアド・カフワジ氏によると、イエメン軍兵士の大半はサレハ氏やフーシ派と同じシーア派の一派、ザイド派か、サレハ氏の親族の指揮下にある部隊のいずれかに属している。

 カフワジ氏は「部隊の多くがフーシ派と闘わず、同組織やサレハ氏と同盟を結んだのはこうした理由からだ」と説明した。
(ブルームバーグ、写真はAP)