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米アップル、CMの内製化に転換

2014年06月12日

 米アップルは、同社の広告を担当してきた広告代理店の「TBWA/シャイアット/デイ」への依存から、テレビCMの内製化推進にかじを切った。数々の記憶に残るCMを手掛けてきた2社の長年の信頼関係の悪化を浮き彫りにした格好だ。

 アップルの広報担当者、エイミー・ベセット氏は「昨年のタブレット端末『iPad Air』や現在放映中のCMなどはアップルの社内チームが製作した」と明かした。関係者によれば、社内チームにはTBWAメディア・アーツ・ラボ(TBWA/シャイアット/デイのアップル担当チーム)から引き抜いた人材が少なくとも2人在籍している。

 広告の内製化へのシフトは、数年間の急成長後に需要の伸び悩みに取り組む同社が、広告を重要な競争の優位性と位置づけて巻き返しを図るべく新たな取り組みを模索していることを示している。1980年代前半にアップルの共同創業者の故スティーブ・ジョブズ氏にTBWAの創業者、ジェイ・シャイアット氏を紹介したマーケティングコンサルタントのレジス・マッケンナ氏は「84年のスーパーボウルで放映したCMを生み出した両社の不和は以前には考えられなかった」と語った。

 韓国のサムスン電子との特許裁判の中で4月に開示されたフィル・シラー上級副社長(世界マーケティング担当)の電子メールによれば、2013年1月に同氏はメディア・アーツ・ラボとの契約解除を検討していた。アップルはこの数カ月後から社内で広告製作を開始している。

 メディア・アーツ・ラボはアップルの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」やパソコン「Mac(マック)」などの象徴的なCMを手掛けてきた。だが、シラー氏は、アップル製品利用者を皮肉るサムスンのCMに対して効果的に反撃できていないとして、ティム・クック最高経営責任者(CEO)にメールで代理店変更の必要性を提言した。これに対し、クックCEOは「必要があれば前進しなければならない」と返信している。

 現在シラー氏と宣伝チームが直面している問題は、ジョブズ氏が避けてきたデジタル分野の広告進出の是非についてだ。業界紙の報道によれば、アップルは取引先リストにデジタル広告企業4社を追加しようとしている。ボストン大学のエドワード・ボッチェス教授(広告学)は「アップルの広告はいまだに看板や雑誌などに掲載されているがソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上にはまだ見られない。しかし、もっとも効果的な広告手法は口コミで、この分野でアップルは常にリードしてきた」と評価した。
(ブルームバーグ、写真も)