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韓国 車載カメラブーム到来

2013年11月24日

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、スマートフォン(高機能携帯電話)、高速インターネット接続の国内普及率が高く、テクノロジー好きとして知られる韓国に、新たなガジェット(ハイテク機器)ブームが到来している。 それは、「ブラックボックス」、いわゆる映像記録用の車載カメラだ。

 ブラックボックスは、車両が衝撃を感知すると、その前後30秒間の状況を映像により自動録画する装置。車両の位置、スピードといった走行データも記録し、ひき逃げ事故などの原因究明に役立つ。

 5年前、無賃乗車の防止を目的に国内のタクシーに導入されたことをきっかけに注目され、以降この装置を採用する一般乗用車が急増。韓国でブラックボックスが設置された自動車台数はすでに220万台に上り、年間の自動車販売台数を上回る。同国では現在、200以上のメーカーがおよそ600種類ものブラックボックスを製造している。政府は、ブラックボックス市場が年間で約50万台、1500億ウォン(143億円)に拡大すると見積もっている。

 人気スマホ「ギャラクシー」のメーカー、サムスン電子のおひざ元である韓国におけるブラックボックス人気は、自動車向けハイテク機器の次のブームを占う手がかりとなりそうだ。

 政府の研究機関、韓国交通研究院の上級研究員スル・ジェフン氏は「韓国は世界最大のブラックボックス市場であり、この装置の開発が最も進んだ国だ。間もなくほかの市場もブラックボックスのメリットを理解し、韓国と同様に採用するようになるだろう」と予想する。

 韓国のブラックボックス人気の高まりには、保険会社から多大な支持を得ていることが背景にある。車両にこの装置が設置されている場合、サムスン火災海上保険などの損害保険大手にとっては、大幅なコスト削減につながるという。韓国のKB投資証券の自動車アナリスト、シン・ジョングァン氏は「ブラックボックスは保険金詐欺を見抜き、交通事故の査定プロセスを簡略化することに役立ち、コストを最小限に抑えることができる」と説明する。損害保険会社によっては、ブラックボックス保有者の保険料を最大5%ディスカウントするサービスを提供する場合もあるという。

 政府もブラックボックスを支持している。当局は2008年に仁川市を走るタクシーに対しブラックボックス設置の補助金交付を開始。その後、全国の都市で相次いで同様の制度が取り入れられ、こんにちではすべてのタクシー運営事業者が車両にブラックボックスを導入している。

 政府内では、ブラックボックス義務化の法案制定に向けた動きも出ている。民主党の議員グループが近く、国内の自動車すべてにブラックボックスの設置を義務づける交通安全法改正案を提案する方針という。

 加えて、ブラックボックスが手ごろな価格で購入できることも、その人気を後押ししている。韓国ではここ数年、ブラックボックスの価格が下落しており、現在の一般的な価格は10万~20万ウォンだ。

 とはいえ、ブラックボックスが人気化した最大の理由は、ハイテク機器好きな韓国人の国民性であることには違いない。国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)がこのほど発表した情報通信技術普及度ランキングでは、韓国が世界トップの座を獲得した。

(ブルームバーグ、写真も)